大学の学費は特別受益になるんじゃないか。結納金だって特別受益だ。
相続の時にこういうことはよくありますよね。
そこでここでは、どういったものが特別受益になるのか、
下記の具体的な例で考えてみたいと思います。
1.大学の学費
2.結納金・結婚資金
3.マンション・家の購入資金
4.親の家に無償で住んでいた
5.子ども名義の預金・株券
6.親が残した生命保険金

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相続問題に強い弁護士・川合晋太郎法律事務所

大学の学費は特別受益

「お兄さんだけ大学に行かせてもらって・・・」
大学の学費は特別利益になるのか?
特定の相続人だけ大学に行かせてもらったとして、特別受益になるのかならないのかを考えてみたいと思います。

大学の話をする前に、高校は特別受益にならないのかということですが、高校進学率が97%を超えた今では、高校までは特別受益にならないと考えられているようです。

大学の進学率も50%を超えていますので、特別とは言えないかもしれませんが、結論から言いますと大学の学費は特別受益といえるようです。

学費だけでなく大学の教育を受けるための費用、つまり仕送りも特別受益になります。

ただし家庭状況によっては特別受益にならないこともあるようです。

例えば、資産家だったり高所得世帯で大学に行くのが当たり前のような家庭の場合、大学の費用でも特別受益とは言えないようです。

結論としまして、大学の学費・費用は原則として特別受益となるが、家庭状況によっては特別受益とならないこともある、ということです。




結納金・結婚資金は特別受益にならない

お姉さんは結婚するとき結納金とか披露宴の費用として300万円もお父さんに出してもらったじゃない。

この場合の結婚資金は特別受益になるのか?という疑問ですが「社会通念上相当と認められる金額」であれば、特別受益とはならないようです。

ですから、結納金と結婚式・披露宴の費用として500万円支払った。という場合も一般的な感覚から妥当な金額であれば、結納金・結婚式の費用は特別受益とはならないようです。

資産家の家庭やお医者さんのようにお付き合いの広い家庭は、結婚式も盛大に行うのが普通ですから、そうなると、その金額も高くなります。

その場合はどうなんだ、ということになりますが、これも相応と認められるものは、特別受益とはならないようです。

ただし、残った資産やその家庭状況と比べてその額があまりにも大きい時には、特別受益となることもあるようです。

また、結納金とは別に持参金というものがありますが、こちらの持参金は特別受益となるようです。

ですから、お前の名義で500万円の預金通帳を作っておいたから、というのは特別受益となるようようです。

マンション・家の購入資金は特別受益

「住宅取得資金の贈与税の非課税制度」で1000万円までは非課税(平成24年)ですが、マンション・家の購入資金は特別受益となります。

贈与税と特別受益かそうでないかは別の問題として考える必要があります。

家は親が購入し、親名義の家に無償で住まわせてもらっていた場合はどうかですが、それは次の項で考えたいと思います。

無償で済んでいた場合は特別受益

親が子供のために親名義の家で家を建て、無償で住まわせていた場合は、本来得られていただろう賃料相当額が特別受益となるようです。

ただし親と同居していた場合は、親も住んでいたのですから、その期間は家を貸すということもできませんので、特別受益とはならないようです。

よく「長男家族は親と一緒に住んで家賃の負担がなかったのに、私は家を出て賃貸に住んでいるのだから、お兄さんも家賃負担分を計算し特別受益とすべき」ということがありますが、これは特別受益とはならいようです。

子どものために積み立てていた預金・株券

親が子供のために非課税枠内で預金したり、株券を買っていたり、ということもありますよね。

その預金や株券は特別受益になるのか?ということですが、預金や株券は特別受益となるようです。

細かい話ですが、例えば、子供の名義で親が毎年50万円ずつ積み立てていたとします。

長男は25歳で25年間分1250万円、長女は20歳で20年間分1000万円のそれぞれの名義の通帳があったとします。

父親が2000万円の現金を残して亡くなったとします。相続財産はこれだけです。相続人は妻と子ども二人だけです。

もめなければ、特に問題ないですが、妻(母親)が子どもの預金は特別受益だと言いだした場合、または長女が長男だけずるい、とかもめだすと、その預金は特別受益とされ、遺産分割されるようです。

親が残した生命保険金

この点は、生命保険金と相続財産で詳しく説明していますので、そちらをご参照ください。

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