司法統計データ(家事23年度)では、離婚理由の第一位は「性格が合わない」つまり「性格の不一致」でした。
そこでこのページでは「性格の不一致で離婚可能か」ということに関して調べてみました。
法定離婚原因
離婚裁判では、法定離婚原因が必要となります。具体的には下記の民法第770条になります。
第770条
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
この法定離婚原因ですが、これは離婚裁判を起こす時に必要な理由になります。
離婚の90%は協議離婚ですから、協議離婚ではこれら理由は必要ありません。
離婚調停でもこれら法定離婚原因は必要ありません。
つまり、協議離婚、調停離婚なら法定離婚原因は必要ないということになります。
ですから、性格の不一致だけでも離婚は可能なのです。
ただし、離婚裁判を起こす場合には法定離婚原因が必要になります。
しかし、離婚の場合、協議離婚が全体の90%、調停離婚が8%、裁判離婚が1%です。
ですから法定離婚原因は、たった1%の離婚裁判の話なのです。
(離婚裁判では91%が離婚を認められています。詳しくは離婚裁判の審理期間をご覧ください)
また、離婚裁判を起こすには、離婚協議で合意できず、離婚調停でも合意できないときに離婚裁判を起こせるのですから、法定離婚原因の第五号にあるように「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当する理由を探すのは難しくないと思います。
相談者が「性格の不一致」と思っていても、それが原因で口げんかが絶えない、別居した、給料を家計に入れてくれなかった、など個々の出来事で、離婚原因は考えられると思います。
交渉ごとの専門家の弁護士に相談すれば、よい解決法が見つかるでしょう。
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