前回の大規模調査(2011年2月)からだいぶ経ちましたので、2020年3月上旬に離婚の弁護士費用の大規模調査を行いました。
2020年3月調査の結果、離婚の弁護士費用の全国平均は58.0万円となりました。
もっとも高い地域は東京で68.1万円と全国平均より10万円ほど高い結果となりました。
もっとも安かった地域は仙台で50.0万円でした。
この金額は離婚調停を依頼した際の着手金と報酬金を合計した弁護士費用となります。
財産分与、慰謝料、親権、養育費、面会交流権などの追加の弁護士費用は含まれておりません。
親権に争いがある場合や財産分与がある場合には、追加で弁護士費用がかかる場合がありますので、ご注意ください。
2011年2月の調査結果は「離婚の弁護士費用の全国ランキング」をご覧ください。
離婚弁護士費用の全国ランキング
地域名 | 着手金 | 報酬金 | 合計 |
---|---|---|---|
札幌 | 24.6 | 25.7 | 50.3 |
東北(仙台除く) | 28.1 | 29.4 | 57.5 |
仙台 | 24.6 | 25.4 | 50.0 |
関東(東京・横浜除く) | 31.4 | 31.4 | 62.8(3位) |
東京 | 32.3 | 35.8 | 68.1(1位) |
横浜 | 31.7 | 34.5 | 66.2(2位) |
甲信越北陸 | 26.1 | 26.1 | 52.2 |
名古屋 | 26.2 | 28.5 | 54.7 |
東海(名古屋除く) | 27.3 | 30.4 | 57.7 |
大阪 | 29.1 | 30.3 | 59.4 |
近畿(大阪除く) | 29.5 | 30.6 | 60.1 |
中国 | 29.2 | 30.8 | 60.0 |
四国 | 27.3 | 27.7 | 55.0 |
九州 | 27.9 | 28.4 | 56.3 |
※2020年3月調べ、各法律事務所のホームページの弁護士費用を調査
データ量の多い、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪は、各都市の金額を表示しています。
その他の地域はデータ量が少ないため、地方単位で算出しています。
上記費用は、離婚調停の弁護士費用になります。
全国平均は58.0万円
2020年調査の離婚の弁護士費用の全国平均は、着手金28.3万円、報酬金29.7万円、合計58.0万円になります。
2011年に調査した際は、60.7万円でしたので、2.7万円低くなりました。
また全国各地の開きも、18.1万円と前回の27.5万円より小さくなりました。
これはインターネットが普及したことと、ホームページに弁護士費用を明記する法律事務所が多くなってきたことにより、開きが無くなってきたと思われます。
関東圏が1位、2位、3位
離婚の弁護士費用が一番高いのは「東京」でした。
ただし、前回の77.3万円から68.1万円と大きく下げることとなりました。
原因としましては、前回調査の2011年にはいなかった新興の法律事務所が離婚分野に参入してきたことが大きな要因と考えられます。
「横浜」「関東(東京・横浜除く)」は、前回調査とそれほど大きな差はないもの、「大阪」「近畿(大阪除く)」の弁護士費用が安くなったことにより、今回の調査では、2位は「横浜」3位は「関東(東京・横浜除く)」と、関東圏で1位、2位、3位独占となりました。
大阪、仙台が大幅に下落
東京と同様に「大阪」も前回の67.0万円から59.4万円と大きく下がりました。
また「近畿(大阪除く)」も64.1万円から60.1万円と下がりました。
近畿では京都が他の県に比べ10万円ほど安く、それが原因かと思います。
東北地方では、「仙台」が前回の57.9万円より大幅に下落し、50.0万円と離婚調停の弁護士費用がもっとも安い地域となりました。
「東北(仙台除く)」は57.5万円と全国平均なのですが、東北最大の都市である仙台だけが50.0万円と極端に安く、競争が激化している可能性が高いと考えられます。
名古屋は全国平均以下
前回の調査同様、名古屋は全国平均以下でした。
東海地方も東北地方同様に「東海(名古屋除く)」は全国平均なのに、中心都市の名古屋が周辺地域よりも安いという現象になっています。
特に名古屋はグーグルの検索上位の法律事務所が安い傾向があり、この点も競争を意識した低めの価格体系としている可能性が高いと思われます。
札幌は引き続き安い価格帯
前回の調査でも札幌は全国平均に比べ離婚の弁護士費用は安かったですが、今回の調査でも最下位にはなりませんでしたが、最下位の仙台とほぼ同じ50.3万円と低い傾向に変化はありませんでした。
全国平均を下回る地域は「札幌」「仙台」「甲信越北陸」「名古屋」「四国」「九州」となります。
また全国平均を上回る地域は「関東圏」「近畿圏」「中国地方」となります。
「中国地方」は、弁護士費用を明記しているほとんどの法律事務所が着手金30万円、報酬金30万円であり、これがそのままデータに反映されています。
離婚の弁護士費用調査の感想
前回の調査では、30万円~50万円というような表記が多く苦労しましたが、今回の調査では、着手金30万円、報酬金30万円というように明記している法律事務所も多くなり、調査スピードは大幅にアップしました。
グーグルの検索結果で上位に表示される法律事務所は、弁護士費用も明確に表記している事務所が多く、わかりやすい傾向にあります。
個々のケースで着手金も変わるということはわかりますが、個人的には、弁護士費用は高額になりますので、できればはっきり明記していただければと思います。
2011年に続く大規模調査でかなり疲れましたが、よいデータが取れたと思います。
このデータが、離婚をお考えで弁護士をお探しの方の参考に少しでもなれば幸いです。
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