「離婚が成立した後に、高額な弁護士費用が請求された」、とならないように、離婚の弁護士費用の計算方法を詳しく解説します。

動画での解説は下記の画像をクリックしてください。




高額な弁護士費用を請求をされた

ネットで「離婚 弁護士費用 高額 請求された」と調べてみると、高額な弁護士費用を請求されたというお悩み投稿が数多くあることがわかります。

・50万円だと思っていたら弁護士が100万円請求してきた
・これで弁護士費用500万円は高くないか?
・着手金10万円だったが最終的に230万円請求された

このような投稿が複数見つけられます。

離婚成立だけで40万円から100万円

協議離婚か調停離婚か、それとも離婚裁判まで進んだのかで、離婚の弁護士費用は変わります。

協議離婚・調停離婚なら着手金と報酬金を合わせて40万円~100万円くらいかかります。

40万円~100万円って、どうしてこんなに開きがあるか、というと、離婚の場合、一般に地方の弁護士は安く、東京の弁護士は高額になります。

ですから、地方なら合計40万円~60万円で済むと思いますが、東京など大都市になると60万円~100万円と、地方に比べ20万円~30万円ほど高くなるのです。

地域の差に関しては「離婚の弁護士費用の全国ランキング」をご覧ください。

東京と地方で差はありますが、まずは、離婚が成立しただけで、40万円~100万円くらいはかかるとお考えください。




離婚の弁護士費用が高額になる理由

具体的な例で説明します。

仮に離婚協議の着手金と報酬金の合計が40万円という法律事務所があったとします。

この場合、協議で離婚が成立した場合は、基本的に40万円の弁護士費用となるのですが、離婚の場合は、それだけでは終わらないことがあります。

親権を争っていた場合

どちらが子どもの親権を得るか、というように離婚協議の中で、親権を争っていた場合には、10万円~20万円ほど弁護士費用がプラスされることがあります。

高額な法律事務所になると、親権が得られた場合には、40万円ほど弁護士費用がプラスされることもあります。

ですから親権を争っていると弁護士費用が高くなるのです。

面会交流権を争っていた場合

「子どもには、一週間に一回合わせろ」「いや、一か月に一回だけ」など面会交流権を争っていると、弁護士費用は10万円~20万円ほどプラスされることがあります。

高額な法律事務所になると、30万円~40万円ほどプラスされることもあります。

しかも、離婚の場合は、これだけでは終わりません。




養育費を得られた場合

養育費は当然のことながら獲得できる権利なのですが、養育費の額に関しては、争うことがあります。

争っていなくても養育費が獲得できたら、養育費の2ヶ月分、2年分の養育費の10%など弁護士費用がプラスされることもあります。

高い法律事務所だと5年分の養育費の10%というのもあります。

逆に養育費に関しては、弁護士費用は発生しない、という法律事務所もあります。

養育費に関しても注意してください。

さらにまだまだあります。

財産分与が得られた場合

財産がない夫婦の場合は問題になりませんが、結婚してから住宅資金の頭金として貯めた貯金が1000万円ある。

夫の生命保険を解約すれば300万円になる。

という場合は、財産分与が得られることがあります。

仮に200万円の財産分与が得られた場合、得られた額の10%が弁護士費用の目安となります。

ですから20万円プラスされることとなるのです。

この財産分与の存在も忘れないでください。

さらにまだまだあります。




慰謝料を獲得できた場合

夫の不倫やモラハラ・パワハラが離婚の原因の場合、不倫、モラハラ・パワハラに対して慰謝料を請求することがあります。

仮に慰謝料として100万円獲得できた場合、得られた額の10%が弁護士費用の目安となりますので、弁護士費用10万円がプラスされます。

慰謝料獲得の場合も忘れないでください。

離婚調停の場合

今回は協議離婚の話ですが、離婚調停になると、調停に1回同席すると5万円、というように加算されることがありますので、こちらも注意してください。

着手金が安くても

着手金が安くても、今まで解説してきたように、いろいろと加算され最終的に高額な弁護士費用が請求された、ということがあります。

例えば、離婚の着手金10万円、報酬金は離婚が成立したら30万円という法律事務所があったとします。

そして、親権争いで20万円、面会交流権の争いで20万円、養育費は5年分の10%、財産分与・慰謝料は獲得額の10%だとします。

この場合、法律事務所のホームページでは、下記のような表記で済まされている場合があります。

A法律事務所(仮)

着手金:10万円
報酬金:30万円 + 経済的利益の10%

※親権、面会交流権、養育費など別途費用がかかる場合があります。詳しくは面談の際に弁護士にご確認ください。明確にお答えいたします。

※の小さな文字の部分を見逃さないでください。

この記事を見つけた方は、もう大丈夫かと思いますが、※で書かれてある、追加でかかる弁護士費用にも気をつけてください。

では、着手金10万円と安そうにみえるA法律事務所(仮)の弁護士費用を具体例で計算してみましょう。




離婚の弁護士費用の具体例

親権が獲得でき、面会交流権もほぼこちらの条件で決まり、養育費は月額5万円、財産分与100万円が得られたとします。

この場合のA法律事務所(仮)の弁護士費用は下記の表の通りとなります。

A法律事務所(仮)の弁護士費用

1.離婚成立の弁護士費用は、着手金10万円、報酬金30万円で合計40万円となります。
2.財産分与100万円の10%で、10万円が報酬金にプラス
3.親権で、20万円プラス(これが忘れられがち)
4.面会交流権で、20万円プラス(これも忘れられがち)
5.養育費の5年分の10%(つまり6ヶ月分)で、30万円プラス(これはも忘れられがち)

つまり合計の弁護士費用は、40万円+10万円+20万円+20万円+30万円=120万円となります。

実はこれで終わりません。

消費税がプラスされます。

120万円の10%は12万円ですから、最終的な弁護士費用の請求額は、132万円となります。

結局、夫から財産分与として100万円獲得できたとしても、32万円足りないということになります。

この法律事務所の場合、着手金が安い割には、面会交流権と養育費の弁護士費用が高い気がします。

私の感覚としては、あと20万円~30万円くらい安くてもいいかな。協議離婚なら、それくらいの弁護士費用の法律事務所はありそうな気がするけど、という感じです。




コミコミの法律事務所

着手金、報酬金は高そうに見えるけど、親権、面会交流権、養育費などコミコミの法律事務所もあります。

下記は、離婚調停での首都圏の法律事務所の弁護士費用の対比表です。

首都圏ですので地方よりは20~30万円高いと思ってください。

離婚調停の弁護士費用比較表

D法律事務所は、着手金+報酬金だけ見ると高額ですが、コミコミですので、親権、面会交流権、養育費など、トータルの弁護士費用は、一番安くなります。

このように、一見高そうですが、トータル的に考えると安いという法律事務所もあります。

安かろう悪かろうでは困りますが、離婚の弁護士費用は複雑になりますので、離婚の弁護士を探す場合は、しっかり弁護士費用を確認してください。




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