為替デリバティブ被害は被害額も高額になり、かつ弁護士費用も高額になりますので、少し詳しく解説したいと思います。

金融ADRで解決

為替デリバティブ被害のこのページを書こうと思ったきっかけは、被害にあわれた方からの一本の電話からです。

その方は、約4億円の被害を金融ADRで解決しようと弁護士に依頼したとのことです。

最初に支払った着手金は、経済的利益の額4億円で計算した着手金の3分の2という計算で、約780万円になります。

しかし金融ADRは決裂し、民事訴訟に移行しようという話になったときに、弁護士からさらに着手金約580万円かかると言われたそうです。

ただし、今度は経済的利益の額4億円で計算した着手金の半分でよいので前回よりは安いと言われたそうです。

しかしそれでも、金融ADRの時の着手金と合わせると着手金だけで1360万円になります。

そこで、この弁護士費用の計算は正しいのかどうか。相談の電話をしてきました。

結論から言いますと、この着手金の計算は旧報酬規定にてらしても不当ということではありません。

しかし、だからといって金額が金額だけに簡単には納得できませんよね。

そもそも金融ADRが不調に終わって、訴訟でどこまで取れるかもわかったものではありません。

民事訴訟で負けたら、4億円の損にさらに着手金分の1360万円の弁護士費用も負担することになります。

心配になるのもわかります。

しかも高額な着手金だと「ほとんど無理な場合でも弁護士は受けているんじゃないか」と疑いたくなるのもわかります。

現に金融ADRでは相手は強硬な姿勢を崩さずお話にならない状態だったそうです。

ですから私は、為替デリバティブ被害のような高額な事案の場合は、本当に慎重に弁護士を選んだ方がよいと思います。

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キャリア25年以上弁護士・川合晋太郎法律事務所

着手金固定額の法律事務所

最近は、弁護士費用も自由化されていますので、以前の用に着手金は経済的利益の額で計算するのではなく、為替デリバティブ被害の場合、金融ADRなら30万円+月額5万円、民事訴訟なら50万円+月額5万円というような法律事務所もあります。

月額5万円というのは、為替デリバティブ被害の場合、調停が長引くことが考えられるからです。

意味合い的には、月額5万円の顧問契約を結んだ上で、依頼を受けますよ。という感じです。

まあこのような着手金の考え方は合理的であると思います。

ただし、報酬金には注意してください。

往々にして、着手金を低く抑えている法律事務所は、報酬金が高いことがあります。

民事訴訟の場合の報酬金は、以前の報酬規定であれば、300万円以下の部分は16%(消費税5%とすると税込みで16.8%)、300万円を超え3,000万円以下の部分は10%、3,000万円を超え3億円以下の部分は6%、3億円を超えた部分は4%です。

ですから、この報酬規定より高いか安いかで判断するとよいでしょう。

着手金ゼロの法律事務所

さらにさらに、最近は着手金ゼロの法律事務所も出てきました。

この場合、着手金ゼロですから、回収または減額できた金額に対して報酬金がかかるだけです。

一見、依頼しやすそうに思うかもしれませんが、こちらの場合も報酬金には注意してください。

先ほども書きましたが、着手金を低く抑えている法律事務所は、報酬金が高いことがあります。

例えば、金融ADRで1億円を減額できた場合を例に考えます。

通常ならば、1億円の経済的利益に基づいて着手金369万円、報酬金738万円の合計1170万円の3分の2の780万円が弁護士費用となります。

それよりも高いか安いかで、着手金ゼロでもよいかどうか判断した方がよいです。

また着手金ゼロでも日当・調査費がゼロとは限りません。

着手金を取る弁護士がある程度の日当は着手金に込みで計算しているのとは別に、着手金ゼロの法律事務所はきっちり日当・調査費をとる可能性があります。

ですので、着手金はゼロだと思っていたが、調査や出張で日当が結構高くついた。とならないように気をつけてください。

まあいずれにしても美味しい話には慎重に対処してください。

何度も書いていますが、弁護士費用は高額になります。

特に為替デリバティブ被害は高額になりますので、慎重に弁護士を選んでください。

為替デリバティブ被害の弁護士費用の種類





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