まず、民事事件の弁護士費用を考える際に、重要な点は、『示談交渉・和解交渉・調停と訴訟では弁護士費用が異なることがある』という点です。
旧報酬規程には、『交渉や調停は3分の2まで減額できる』と書かれています。
減額できる、ですから減額しなくてもよいのですが、私の調査によると78の法律事務所のうち21件、全体の21%の法律事務所のホームページに、この減額することができるとかかれていました。
また、「3分の2に減額できると聞いたのですが」と弁護士に伝えてみたところ、成功報酬金が安くなったという例もありますので、まずは、この『交渉や調停は3分の2まで減額できる』という規定があるということを頭に入れておいてください。
3分の2の適用弁護士
この旧報酬規程の3分の2に減額できるという規定は、弁護士費用が自由化された今も、多くの法律事務所で使われています。
法律事務所のホームページにそのことをきちんと書いている弁護士もいれば、ホームページには訴訟の際の弁護士費用だけ書いてあり、3分の2の減額は、面談の際に説明する弁護士もいます。
もしあなたが訴訟(裁判)を考えているのではなく、交渉や調停で和解を考えているのであれば、弁護士費用は訴訟の時の3分の2となる可能性が高いので、ホームページにその記載がなくても、その点を弁護士に確認することをお勧めします。
着手金2分の1の規定
3分の2の減額と同じように、着手金2分の1の規程というのもあります。
これも旧報酬規程に書かれているのもので、この2分の1規定を今も守らなければならないことは無いのですが、多くの法律事務所でこの規程を採用しています。
この2分の1とは、交渉・調停から引き続き民事訴訟案件を引き継ぐ場合は、民事訴訟で計算された着手金の2分の1とするというものです。
具体的には、例えば貸したお金300万円の返還交渉を弁護士にお願いしたとします。
その時の着手金は、民事訴訟の計算式だと24万円になります。
しかし、今回は訴訟ではなく交渉なので、3分の2の減額が適用されたとします。
ですから、24万円の3分の2で、16万円となります。
これが、経済的利益の額が300万円の時の民事交渉の着手金となります。
しかし、和解交渉が上手くいかず、民事訴訟を起こすとなった場合は、訴訟用のまた着手金がかかります。度は、上記の2分の1が適用されます。
つまり、24万円の2分の1で、12万円。これが訴訟の時に支払う着手金です。
結局、交渉時に16万円、訴訟時に12万円、合計28万円の着手金を支払うこととなります。
もっとも和解交渉が上手くいけば、着手金は16万円で済みます。
これが2分の1の規程です。
2回も着手金を払うのは、釈然としないかもしれませんが、弁護士業界では、交渉・調停と訴訟は別物ですから交渉決裂で訴訟の場合は、着手金が発生するのが一般的です。
着手金に関してもっと詳しく知りたい方は、着手金をご覧ください。
この記事が参考になれば幸いです。
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