始めに結論を言います。

法律事務所が無料相談を行っている理由は、無料相談にした方が集客できるからです。

市役所などが行っている法律相談は、市民サービスの一環なので無料だということは、なんとなくわかるかと思いますが、それぞれの法律事務所が独自に無料相談を行っているのは、それとは少し違います。

私は弁護士専門のコンサルタントとして10年以上のキャリアがあります。

弁護士がなぜ無料相談を行っているのかを、これからわかりやすく説明します。

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キャリア25年以上弁護士・川合晋太郎法律事務所

以前は無料相談は少なかった

弁護士費用が自由化された当初は、多くの弁護士は法律相談を無料にはしませんでした。

なぜかというと、そんなことをしたら、くだらない法律相談が数多くきて迷惑だと考えたからです。

実際、ホームページに無料相談をしていることを明記すると、弁護士に依頼するような内容ではない相談も数多くきました。

しかし私は、コンサルティングをしているクライアントの法律事務所には、無料相談をすることを強く勧めました。

理由は無料相談を行うことで弁護士の敷居を低くすることができると考えたからです。

そこで、法律相談だけでも無料にして、少しでも弁護士の敷居を低くした方がよいとアドバイスしたのです。

無料法律相談は大ヒット

無料法律相談の戦略は大ヒットしました。

今は弁護士業界も競争が激しくなり、無料相談を行っている法律事務所が数多くありますが、当時は無料相談をしていることをホームページに掲載しているだけで、多くの問い合わせが来ました。

さらに、無料相談をしている法律事務所の方が、ネットで検索したときにホームページの検索順位が上位に表示されるようになりました。

これは無料相談をすることで多くのアクセス数を集めることができたためだと思います。

今でもこの流れは続いています。無料相談を行っている法律事務所の方が検索結果は比較的上位に表示されます。

ただし、すべての分野で無料相談を行うと、さすがに業務に支障がきたすため、弁護士業務の中でも特に注力する分野のみ無料相談を行い、それ以外の分野は無料相談は行わないようにアドバイスしました。

今では借金整理、交通事故(被害者側)、相続問題、刑事事件(加害者側)、残業代請求、不倫慰謝料請求などで、無料相談を行っている法律事務所が多くあります。

逆に不動産問題、一般民事事件は、弁護士に依頼するまでもないような相談も多く、無料法律相談を行っている法律事務所は少ない傾向にあります。

簡単に言ってしまえば、自分たちが注力してる分野、受任したい分野は無料相談としている法律事務所が多いということです

逆に、受任したくない分野、弁護士に依頼するまでもない分野は有料法律相談としている法律事務所が多いです。




無料法律相談の弊害

法律事務所にも様々なタイプがあり、無料相談を行っているにも関わらず、受任したくない分野、弁護士に依頼するまでもない分野とわかると、相談者との相談をさっさと切り上げる弁護士がいます。

つまり金にならない相談者とわかるとさっさと話しを打ち切るのです。

このように金儲け主義の法律事務所もあります。

無料相談をすると集客できる、しかし、金にならない相談者からの電話や相談は無下に断る。このような対応されていやな思いをした方も多くいるかと思います。

どんな相談もきちんと受けたいから無料相談しないという弁護士もいます。

また、無料相談できる人を東京都内の方だけなど、きちんと限定してホームページに明記している法律事務所もあります。

その法律事務所がどのようなタイプかは、ホームページを詳しく調べなければわかりませんが、金儲け主義の法律事務所の無料相談で嫌な思いをしないためには、無料相談だからと安易に飛びつかず、弁護士にお金を払って依頼するような内容でなければ、市役所などの無料法律相談を活用した方がよいかと思います。




無料法律相談と有料法律相談

電話による無料法律相談

初回5分間、電話無料相談」は、借金問題や交通事故(被害者)と対象は限られますが、電話無料相談を実施している法律事務所があります。

この相談では、あなたの問題が弁護士に依頼する問題かどうかを判断するための質問をされることが多くあります。

その結果、金額の低い問題であれば、弁護士に依頼して弁護士費用を払うと損をしてしまうことがあります。ですから、そのような問題は受け付けてもらえないことがあります。

また、他の弁護士に依頼しているのだがどうも信用できない。などと言った、依頼している弁護士に対する不満などは、弁護士会に相談してください。と受け付けられないこともあります。

電話無料相談の多くは、弁護士に依頼できる問題かどうかを判断するためのことが多く、自分のトラブルは弁護士に依頼した方がよいのか、ということを確認したい方に向いています

面談による無料法律相談

初回30分、無料相談」とホームページに書かれている場合、多くは面談による無料相談のことをいいます。

面談による無料相談とは、あなたが法律事務所の相談室、もしくは指定された場所に行って相談を受けることです。

ですから無料相談と思って電話しても、その電話で相談を聞いてくれるわけではありません。

多くは面談の予約をすることになります。

また、多くの法律事務所では、いくつかの条件があることが普通です。

例えば、長野市在住の方のみ、というように地域を限定していることがあります。これは遠方の方からの相談を受けても、その方の弁護の依頼を受けることが難しいためです。

ですから、その法律事務所の弁護が可能な範囲にお住いの方のみから無料相談を受ける、という条件がつくことがあります。

また、交通事故の被害者側であれば無料だが、加害者側であれば有料。というように問題の種別における条件がつくこともあります。

さらに、本人からの相談以外は受け付けない、という条件もあります。

なんでもかんでも無料で相談できる、という法律事務所は少ないと思いますので、無料相談できる条件を確認してから連絡するとよいかと思います。




有料の法律相談

個人の問題の場合「初回30分、5000円」が一般的です。法人の問題の場合は、もう少し高くなる場合があります。

ただし、きちんと法律相談を受けるとなると30分では時間が短いと思います。私の知っている弁護士も「1時間は話を聞かないとちゃんと相談には答えられない」と言っていました。

ですから、有料相談でも「1時間1万円」としている法律事務所もあります。

また、知り合いの弁護士は「有料の法律相談に来る人は真剣さが違う」とも言っていました。

有料の相談を受ける際は、相談したい点を整理して時間を有効に使うことをお勧めします。

例えば、相続問題であれば、相続人の数と関係、相続財産を争っている相続人は誰か、相続財産の状況、相続で問題となることが多い生命保険の有無、被相続人との同居の有無、被相続人の財産を誰が管理していたか、何が争点となっているか(相続条件、希望)など、整理して相談を受けた方が、時間を有効に活用できます。

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