処分保留とは、逮捕し勾留しているがまだ起訴されていない被疑者の嫌疑が十分に認められないために処分を保留します。というものです。

ここでいう処分とは、起訴するか起訴しないかということになります。

ですから、処分保留とは、逮捕、勾留している被疑者を起訴するだけの十分な証拠はないが、起訴しないという十分な理由もないので、起訴するかしないか処分は保留します。というものです。

素人には、なんかはっきりしない感じですが、捜査は続行され、その後に十分な証拠が出れば起訴ということもあれば、これ以上、無理だろうとなれば、不起訴ということもあります。

また処分保留と釈放は、セットで使われるのが普通です。

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処分保留と釈放

処分保留と釈放がセットで使われるのは、そもそも処分保留になるのが、逮捕、勾留後だからです。

逮捕され、勾留したものの、勾留期間中(逮捕から最長23日間)に起訴するだけの証拠が集められなかった。
これ以上、勾留はできない、でも嫌疑なし、嫌疑不十分で不起訴の判断もできない。
だから、処分は保留して釈放します。
となるから、「処分保留で釈放」とセットで使われるのです。

弁護士の先生方はその辺のことを熟知していますので、単に「処分保留になりました」
とお客様に伝えるだけの先生もいるようですが、「処分保留になった」には、
釈放されたが不起訴とは決まっていない、ということも含まれています。

ですから、まだ完全に安心というわけではありません。




マスコミの処分保留で釈放

マスコミが「処分保留で釈放」を使う場合は、前後の文脈やニュースキャスターのコメントなどを聞いていると、二つの使い方があるようです。

一つ目は、(逮捕しておいて、十分な証拠がなく、起訴できなく釈放したそうですよ。不当な逮捕だったんじゃないですか?)というようなニュアンスで使う場合です。
この場合は、見ている側は被疑者に対し白のイメージを持つ場合が多いです。
使用としては「嫌疑不十分のため処分保留で釈放されました」というよう感じで伝えられます。

もう一つは、(逮捕しておいて、十分な証拠がなく、起訴できなく釈放したそうですよ。本当にそれでいいんですか?)というようなニュアンスで使う場合です。
こちらは、被疑者に対して黒のイメージを持ちます。
使用としては、その事件の概要を説明し、なのに「被疑者は処分保留で釈放されました」というように、なのにという単語は使っていないのですが、そのようなイメージを持ってしまいます。
さらにこの場合は、あえて証拠不十分のため、とか嫌疑が固まらないためとかは頭につけません。

このように、「処分保留で釈放」という一つの事実でも、ニュースの伝え方によって感じ方が違ってきます。
また、その被疑者・事件に対しどのような感情を持っているかで、感じ方も違ってくると思います。

次に起訴か不起訴の保留された処分はいつ決まるか? ということですが、これははっきりしません。

捜査が進み十分な証拠が出れば起訴となりますし、もう無理だなとなれば不起訴になりますが、それが一ヵ月後なのか二ヵ月後なのかそれははっきりしません。
痴漢の処分が数ヵ月後に決まり起訴された。というのもあります。

また、起訴か不起訴かを決める担当の検察官(検事)が移動になる前には処分を決めるようです。
これはよく聞く話です。

以上が私の調べた範囲での「処分保留で釈放」に関する情報です。
ご参考になれば幸いです。




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