「ジュリナビ 2021年全国法律事務所ランキング200」によると、渉外法律事務所以外でトップ10に入っている事務所は、ベリーベスト法律事務所とアディーレ法律事務所のみとなります。
このサイトが対象とするのは、一般民事や家事ですので、大手企業相手の渉外法律事務所は対象としていません。
そこで、一般消費者にもなじみのあるこの2大法律事務所を分析してみました。
両法律事務所とも所属弁護士数が多く、調査するのが大変でした。
分析に使用したツールは「日本弁護士連合会の弁護士検索」です。
調査期間は2021年4月19日から4月20日になります。
画面左側の「弁護士検索」を使用し、拠点の数、所属弁護士数などを調べました。
右側の「ひまわりサーチ」は登録していない弁護士もいるため使いませんでした。
※慎重にデータを集計しておりますが、転記ミスなど間違いがあるかもしれませんので、その点はご了承ください。
所属弁護士数と経験年数
経験年数は登録番号から修習期を調べ経験年数としています。ですから73期でしたら1年未満というようにしております。
ベリーベスト | アディーレ | |||
---|---|---|---|---|
経験年数 | 人数 | 比率 | 人数 | 比率 |
5年未満 | 199 | 68.4% | 100 | 55.9% |
5年以上~10年未満 | 60 | 20.6% | 55 | 30.7% |
10年以上~15年未満 | 23 | 7.9% | 21 | 11.7% |
15年以上 | 9 | 3.1% | 3 | 1.7% |
合計 | 291名 | 100% | 179名 | 100% |
どちらの法律事務所も設立して20年経っていないので、若手の弁護士の比率が多くなるのは仕方がないかなと思います。
両事務所の違いは、ベリーベスト法律事務所の方が5年未満の比率が12.5%ほどアディーレ法律事務所よりも高く。5年以上~10年未満が10.1%ほど低くなっている点かと思います。
このことから、ベリーベスト法律事務所は、ここ5年以内に急速に弁護士数を伸ばしてきたのではないかと推測できます。
ちなみに73期の人数は、ベリーベスト法律事務所が66名、アディーレ法律事務所が25名でした。
両事務所合わせると73期は91名おり、73期の司法修習終了者数1,464名とすると、73期の6.2%が両事務所に入所したことになります。
拠点数と所属弁護士数
次に両事務所の拠点数の違いを調べてみました。
ベリーベスト | アディーレ | |||
---|---|---|---|---|
拠点数 | 拠点数 | 比率 | 人数 | 比率 |
1人支店 | 5 | 11.6% | 46 | 71.9% |
2人支店 | 7 | 16.3% | 11 | 17.2% |
3人支店 | 11 | 25.6% | 1 | 1.6% |
4人支店 | 6 | 13.9% | 2 | 3.1% |
5人以上支店 | 14 | 32.6% | 4 | 6.2% |
合計 | 43店 | 100% | 64店 | 100% |
拠点数とその拠点に所属する弁護士数では、両事務所に大きな違いがみられました。
アディーレ法律事務所は、約7割が1人支店となっております。
一方、ベリーベスト法律事務所の1人支店比率は11.6%と低く、5人以上いる支店比率が32.6%とほぼ3分の1となっています。
この違いは今回の調査ではっきりした項目のひとつかと思います。
渉外系以外のこの2大法律事務所の調査は、弁護士業界の変化を知る上でも重要な調査だと感じておりますので、弁護士数が多く調査は大変ですが、毎年行っていきたいと思います。
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