離婚弁護士選びのポイント
このページでは、離婚の弁護士選びで失敗しないように、離婚弁護士の選び方、ホームページのチェックポイントを解説しています。離婚問題で弁護士を選ぶ際の参考にしてください。
ポイント1.子どもがいる人もいない人も、養育費の弁護士報酬をチェック
ポイント2.離婚調停、離婚裁判の無料出廷回数をチェック
ポイント3.複数の価格設定がないかをチェック
養育費の弁護士報酬をチェック
まずは、子どもがいる人もいない人も、弁護士報酬の養育費の箇所をチェックしてください。
ここを見ると、その法律事務所の離婚問題の弁護士報酬に対する考え方がわかります。
離婚問題を依頼する前に、その弁護士の報酬に対する考え方がわかれば、後々、弁護士報酬のことでもめることは少なくなります。
私がこのチェックポイントに気づいたのは、全国の離婚の弁護士費用を調べているときでした(離婚の弁護士費用は「離婚の弁護士費用の全国ランキング」をご覧ください)。
養育費に対する弁護士報酬は、法律事務所によって大きく異なることがわかりました。
特に札幌では、養育費に関しては弁護士報酬を加算しない、無料にしている弁護士が多くいました。
そこで関東の知り合いの弁護士に「先生のところはどうですか?」と聞いたところ「私の法律事務所も養育費は弁護士報酬をいただいてないですよ」とのことでした。
そこで「どうしてですか?」とさらに聞いてみると「養育費はいつ支払われなくなるかわかりませんし、かと言って、養育費が振り込まれるたびに報酬をもらうのも面倒ですしね」と笑いながら答えてくれました。
他の先生にも聞いてみると「うちは2年分の養育費の10%を離婚成立時に、弁護士報酬としてもらっています」と答えました。
他にも養育費の3ヶ月分という弁護士もいました。
何人かの先生に聞いたところ、養育費に関しては弁護士報酬は0円、または2年分の養育費の10%、養育費の〇ヶ月分というのが多かったです(養育費の弁護士費用は「養育費と弁護士費用」をご覧ください)。
養育費は元夫がいつ支払わなくなるかわかりません。報酬を無料は珍しいとしても、全国の弁護士のホームページを調べた私としては、養育費の弁護士報酬は「2年分の養育費の10%、養育費の3ヶ月分」あたりが妥当なのかなと個人的には思っています。
ですから養育費の弁護士報酬をどのように規定するかはその法律事務所の自由ですが、養育費に対する弁護士報酬を見ることで、その法律事務所の離婚弁護の報酬に対する考え方がわかるのです。
特に問題なのは、養育費に関して記載がなく、経済的利益の10%などと単に書かれているパターンです。
このようにざっくり書かれていると、将来にわたって支払われる養育費総額の10%かもしれません。
このようにざっくり書かれている法律事務所にはきちんと確認してください。
離婚調停、離婚裁判の無料出廷回数をチェック
離婚調停や離婚裁判の弁護を依頼すると、調停への同席、裁判への出廷が何回かは無料になります。その回数もチェックしましょう。
離婚調停は、85%が5回以内(平成27年度司法統計)、離婚裁判の平均審理期間は12.3ヶ月(平成27年人事訴訟事件の概況)になります。
離婚の弁護士報酬を考えれば、離婚調停も離婚裁判も出廷回数に制限なく無料というのが理想です。調停に同席するたび、離婚裁判に出廷するたびに費用が加算されるのでは、調停、裁判が長引けば長引くほど依頼者の費用負担は大きくなります。
また、出廷回数が増えれば弁護士費用が加算されるのでは、調停や裁判が長引いても弁護士が損をすることはなく、弁護士にのんびり構えられても困ります。
ですから、上記の平均期間を参考に、調停なら5回以内、裁判なら1年間は追加の費用がかからないというのがひとつの目安になるかと思います。
この離婚調停、離婚裁判の同席、出廷回数もその法律事務所の離婚弁護に対するスタンスを見るのには、わかりやすいポイントとなります。
離婚の弁護士を選ぶ際の参考にしてください。
複数の価格設定がないかをチェック
ホームページで簡単にチェックできるポイントの3つ目は、同一事務所内に複数の価格設定がないかのチェックです。
例えば、昔はあまりなかったことですが、最近はたまに所長だけは特別な価格体系になっていたりすることがあります。
法律事務所は基本的に自由に価格を設定してよいので、所長は高額、中堅はそこそこ、新人は一番安い、などの価格体系でもぜんぜん問題はありません。
また、通常のプランのほかに、スペシャルプランのような高額なプランがある法律事務所もたまに見かけます。
このように同じ事務所内なのに複数の価格設定のある事務所は、しっかりチェックした方がよいです。
理由は価格の設定には、その弁護士の意思が反映されるからです。
例えば、通常プランでは離婚調停の着手金が30万円なのに、スペシャルプラン(所長が弁護)だと100万円の法律事務所があったとします。
この70万円の差はなんでしょう。人が変わるんだから当然だろうと思う方がいるかもしれませんが、おかしな話だと思う方もいるかもしれません。私はおかしな話だと思っています。
企業法務の場合、著作権問題に精通したその道のプロの弁護士は高額になるということはあります。
しかし町弁(町の中で起こる様々な法律トラブルを解決する弁護士)で、そのような高額な弁護士というのはあまり聞きません。
何冊も本を出しているから単価が高いというのもおかしな理屈だと思います。
価格設定は自由ですが、あまりおかしな価格設定の事務所はしっかりチェックすることをお勧めします。
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