まぎらわしい弁護士の広告に注意
弁護士だから悪い人はいないだろう。なんて思ったらおおまちがいです。
お客様をだまそうとした広告を出している弁護士はいないと思いますが、
紛らわしい広告でお客を集めてる弁護士はいますので、注意してください。
ウソはついていないが、紛らわしい広告というのがあります。
ここでは、そういった広告の見方について解説します。
何度も言っていますが、弁護士費用は複雑です。
理解した上で弁護士に依頼するならまだしも、理解せずに弁護士に依頼して、
後で問題になるのだけは避けましょう。
ですから、ここで少しでも弁護士広告のことを理解してください。
過払い金返還請求のまぎらわしい広告
消費者金融に払いすぎたお金が返ってくる。
という「過払い金返還請求」の広告をよく見かけると思います。
この「過払い金返還請求」が、ここ数年の弁護士の大きな収入源になっています。
過払い金返還請求バブルがなければ、弁護士はどうなっていたんだ。
と思われるくらい、この事案に弁護士が群がっています。
さてこの過払い金返還請求の広告ですが、
多くは、初期費用ゼロ、過払い金が返還されてから、
返還された金額の××パーセントが弁護士の成功報酬になりますので、
あなたの持ち出しはありませんよ。
的なことをイメージされる方が多いと思います。
仮に成功報酬が20%とすると、
100万円過払い金が返ってきたら、20万円弁護士に払えばいいんだから、
弁護士に依頼した方が得。
単純にそう思いますよね。
この広告に書かれていることにウソはないですが、ホントも隠されています。
それが、「債務整理の場合は1社×万円」と小さく書かれた文字です。
これが書いてある弁護士事務所は、まだましです。
書いていない弁護士事務所も結構あります。
どういうことかというと、
過払い金返還請求と債務整理(任意整理)の認識の異なる弁護士もいるということです。
過払い金返還請求とは、払いすぎた金利分を返してくださいよ。というものです。
任意整理とは、こんなに払えないので、金利免除、一部債務免除してくださいよ。というものです。
ここで問題となるのは、まだサラ金に借金残高のある方です。
借金の残高のある方は、過払い金返還請求と債務整理を同時に行うことになります。
ですから、過払い金返還請求の弁護士費用ではなく、
債務整理の弁護士費用が適用されます。となるケースがあります。
おそらく、この話を聞いてもまだ何がなんだかわからない人も多いと思います。
つまり、消費者金融から100万円借りていて、全額返し終わった人で借金ゼロの人が
請求するのが、過払い金返還請求になります。
その消費者金融にまだ借金が残っている人は、債務整理(任意整理)になります。
過払い金返還請求と債務整理(任意整理)をきちんとわかるように書いてくれればいいと思うかもしれませんが、
なぜこんな紛らわしい広告にするかというと、
「払ったお金が戻ってくる。最初にかかる弁護士費用はありません。
返ってきたお金の××%をお支払いください。」の方が、安心感もありインパクトもありますよね。
持ち出しなしでお金がかえってくるという印象を与えますから、だからこんな広告が増えるのです。
そして、相談しに来たお客様に、それは債務整理になりますので、1社×万円かかります。
といっても、お客さまの損になる話ではないですし、
相手が弁護士なら、なおさら断りにくいですよね。
ですから、わざわざ着手金のかかる任意整理の話は出さず。
過払い金返還請求の初期費用ゼロ円の話だけして、初期費用ゼロなんだという印象を強め、
お客を集めるのです。
意図的にこの手法を使っているかどうかはわかりませんが、
一般の商売のやり方としては、ごく当たり前のやり方です。
魅力的な広告でとにかくお店に来てもらい、より高額な商品を販売する。
よくやるやり方ですよね。
この着手金ゼロで、相談の電話をかけさせ、債務整理で着手金を取り、
過払い金請求の依頼も同時にいただく、という手法ですが、
紛らわしいですが、マーケティング的には結構な業界で使われています。
弁護士もこんな感じで広告上手になってきたましたので、
十分に内容を理解したうえで、弁護士に依頼してください。
このように弁護士費用は複雑です。
弁護士費用ドットコムで、よく弁護士費用に関しての理解を深めてください。
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