日本の弁護士は、主に渉外案件を扱う「渉外弁護士」と民事事件・刑事事件・中小企業の企業法務などを扱う「町弁」の2つのタイプの分けることができます。
このページでは「渉外弁護士と町弁」の違いについて説明します。
渉外案件と渉外弁護士
日本には、四大法律事務所といわれる所属弁護士数が400名(※1)を超える大手の法律事務所があります。
※1.弁護士数は「2019年全国法律事務所ランキング200」を参照
これらの法律事務所は、主に「渉外案件」を扱っています。
「渉外案件」とは、国際的な取引や大手企業間の取引・訴訟などの法律案件のことをいいます。
そして渉外案件を主に扱う法律事務所を、四大法律事務所以外の中小の法律事務所も含め「渉外法律事務所」といいます。
つまり、渉外法律事務所とは、大企業の国際問題や企業買収、上場、資金調達、貿易などの案件を扱っている法律事務所ということです。
国際取引が主になりますので語学力も必要となります。
年収は新人でも1千万円を越えるといわれています。
そして、渉外法律事務所に勤めている弁護士を「渉外弁護士」といいます。
ですから、渉外弁護士は、私たち一般庶民の民事事件や離婚・相続などの法律問題はほとんど扱いません。
町弁
私たち一般庶民の法律問題を扱う弁護士を「町弁」といいます。
町弁は市民の法律問題だけでなく、中小企業の企業法務も扱います。
このサイトは一般市民や中小企業のオーナー向けに、弁護士費用の相場や弁護士の選び方の情報を発信しています。
ですから、このサイトで取り上げる弁護士は、町弁のことだと思ってください。
町弁法律事務所の規模はそれほど大きくなかったですが、過払い金返還請求の大ブームのころから、町弁法律事務所にも所属弁護士数が50名を超える大手の法律事務所が現れるようになってきました。
このサイトでは渉外法律事務所のことは基本的に扱いません。
このサイトで大手の法律事務所という場合は、町弁法律事務所の大手の法律事務所のことだとお考えください。
渉外弁護士から町弁に
渉外法律事務所を辞めて町弁になる弁護士もいます。
先にも解説しましたが、渉外弁護士は町弁の扱っている法律問題を扱うことはほとんどありません。
ですから、渉外法律事務所で積んできた弁護士キャリアを町弁で活かせるか、といった場合、全く活かすことはできないとは思いませんが、そのまま十分に活かすことはできないと思います。
「町弁10年の弁護士」と「渉外弁護士9年+町弁1の弁護士」であれば、町弁10年の弁護士の方が、町弁としてのキャリアは上だと思います。
ただし、渉外弁護士でも町弁に向いている方もいますし、町弁でも勉強せず無駄に歳だけを重ねている方もいます。
私たちがお世話になるのは町弁です。
町弁もいろいろです。
依頼する前にしっかり弁護士と会って面談し、自分にあった弁護士かどうか確認してください。
弁護士費用は高額になります。
弁護士選びは慎重にお願いいたします。
この記事が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。
弁護士費用.com を今後ともよろしくお願いいたします。